空を手に入れる方法

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目撃☆ドキュン

 私はバスを待っていた。

 バスを待つ間、寒さに身を縮こまらせながらいつものように空を眺めた。夕方の曇り空を。
 そして、すごいものを見てしまった。
 あまりのすさまじさに、一瞬、息をすることさえ忘れた。
 私の見たものが一体何なのか、君に分かるか?

 私は雲が落ちるのを見た。

 空を覆いつくすほど大きくなりすぎた雲が、まっさかさまに大地へ落ちてくるのを見た。
 グレイの空を覆う藍の雲が、自らの重さに耐えきれず落ちてくる様を見た。
 私は少しも怖くなかった。それどころか、かつて何かとんでもない秘密を企てた時のような胸の高鳴りを感じた。
 辺りは一段と暗くなり、最早、どちらが空でどちらが雲なのか、私には分からなくなっていた。

 だがそう、それは些細なことだ。
 もし太陽が雲の下に存在していたなら、空と雲、どちらが天を支配しているかなど、誰にも分からなかったのだから。

 確かなことは、天に在るそれらが落ちてくるということだ。
 まっさかさまに、地上を呑み込もうと落ちてくる。
 まもなくそれらは世界を覆いつくすのだ。

 そうだ早く落ちてしまえ。
 そうして本当に手にするのだ。

 あの遠かった空と雲とを。

メモ
こちらも高校卒業後に書いたもの。2001年頃。青い石と同じ頃に書いたもの。
大地へ落ちてくるかのような雲に遭遇したのは、ホント。
2009.12.23:加筆修正してup。でもやっぱり文章はあんまり上達してないねー。