空を手に入れる方法

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6つの創作の御題5
配布元サイト様:「6倍数の御題
「6つの創作の御題5」を使わせていただきました。
1.カプセル 2.みかん 3.満月 4.ビデオテープ 5.憩いの場 6.電波時計

カプセル
透明なカプセルの中に見える薬の粒は、振れば微かに音を立てた。
覗いてみても見えるはただの粉の塊、光もせず笑いもせず。
(それもそのはず、ただの薬の粒なのですから!)
けれどおかしい。見えないのは一体なぜか?
そこには病気を治療する偉大な力が込められているというのに?
人の英知が、人の思いが詰まっているはずだというのに。
(思惑だって詰まっているはずでしょうに!)
見えるのはただの粒。何の変哲もない粉の塊。
半分の優しさでさえ、目にすることができないなんて!

みかん
ある日みかんは旅に出た。
木を落ち山を転がって、野を過ぎ、川を流れ行き。
海まで渡って砂浜を、ころころごろごろ転がって。
砂漠を転がり、サバンナを過ぎ、人の町までやって来た。
まだまだ続くかに思われた、長い長いみかんの旅だが、
出会った犬に食われて終わった。
未完で終わるかに思われた、長い長いみかんの旅も、
犬が実、噛んでこれにておしまい。

――お粗末。


満月
まんまるおつきさまはチーズケーキなんだ、って、
そうきいたとき、わたしはかなしくてたまらなかった。
チーズがキライでチーズケーキがキライなわたしは、
おつきさまがチーズケーキってきいたところでちっともワクワクしなかった。

時が経ち、私はいつしか大人になった。
自転車に乗れるようになり、一人で電車に乗れるようにもなった。
服は子供服から大人用になり、
バイトをし、彼女にプレゼントを買うようになっていた。
結婚をした。子供も産まれた。
チーズケーキも、気付けば食べられるようになっていた。
時が経ち、私はすっかり大人になった。
そうなって、ようやく私も思うのだ。
お月様、うまそうだ。

ビデオテープ
一秒たりとも逃すことなく収めてある。
再生し、それを眺める場面さえも克明に記録して?

そんなもの

後生大事に抱えてたって
明日へと続く夜など来ないさ。

憩いの場
朝から晩まで仕事して、
家に帰ってコンビニ弁当。
致命的なバグがあるんじゃないかって、
毎日怯えて泣いて眠って、
血みどろの悪夢に疲弊しきった重たい体を引きずり歩く。
休息の足りない頭では、まともなコーディングなんてできやしない。
悪循環。
足場は狭く、夜霧の中タールの海に浮かぶ浮き。
不安は酷く、心と体を引き潰しすり潰し。
家にいても、どこにいても、壊れていく心と体。

ああそうだ。
あの頃のあたし、そんなもの(憩いの場なんて)持ってなかった。

電波時計
十万年に一秒の誤差
そこまでの正確さを手にしてなお
君は遅刻するというのかい……
メモ
 「カプセル」注意:半分が優しさでできているあの薬は錠剤です。カプセルではございません。文章は若干エンデを意識。影の縫製機を旦那さんに買ってもらったのです。内容は三日月朔月十三夜という漫画から。
 「みかん」シャーマンキングという漫画が、みかんの絵で最終回を迎えたらしいと聞いていたので、それを思い出してしまい、ついやってしまった。後悔はしていない。断じて。
 「ビデオテープ」実家では、今だベータのデッキががんばってる。それはそれとして。ビデオテープのお題ですぐに思い出したのが、カウボーイビバップの「スピークライクアチャイルド」。良い話です。DVD-BOX欲しいなぁ。
 「憩いの場」愚痴と言うか何と言うか。仕事してた頃はほんとにいっぱいいっぱいでした。それがわかるのは、怒られ叱られしながらも、家族がいてくれて支え(?)支えられ、ちゃんと休息を取れているからだと思うわけです。感謝。
 「電波時計」私からはごめんなさいとしか……。
 何だか、全体的に「詩ですか……?」という物ばかりですネ。いつもか。すみませぬ。